お彼岸を過ぎたある朝、いきなり秋が来た。 厄災のような夏の空気は去り、さらりとした風が通り抜けていく。 姿見の前できものを羽織ってみた。 意外なほど髪が伸びていて、ずいぶんイメージが変わっている。 ――わたし、いつからき …
50_ 日本人にはきものが似合う

お彼岸を過ぎたある朝、いきなり秋が来た。 厄災のような夏の空気は去り、さらりとした風が通り抜けていく。 姿見の前できものを羽織ってみた。 意外なほど髪が伸びていて、ずいぶんイメージが変わっている。 ――わたし、いつからき …
今年もこの季節がきた。 ほころぶ花、揺れる空気、そして静かな命。 2025年のGritterは、期せずして自然をモチーフにした新柄が出揃っている。 新しい窓が開き、風がとおる。そんな気配を感じる柄行きばかりだ。 ダリアと …
「夏の黒、冬の白ほどおしゃれなものはない」。 若いころ、大橋鎮子さん(雑誌『暮らしの手帖』の創刊者)のコラムで読んだ一文がずっと心に残っていて、今に至るまで真夏でも黒いワンピースばかり着ている。 暑そうに見えるのだろう …
これは、きもの?いや、ワンピース? 確かにワンピース。でも、そこかしこに、きものの気配がちゃんとある。 左右から打ち合わされた襟元。ツンと立った袖山、マキシ丈は考えてみればきもののデフォルトだ。そして、布のベルトは …
どうしてポケットに手を入れるのか?――そこにポケットがあるから。 nonoのSHIKI(Kimono + Apparel)シリーズの商品には、ほぼ確実にポケットがついている(薄羽織や襦袢Tシャツとかは除いて)。 き …
「カバーも袋も要りません」。書店のレジで、必ずこう言う。 誰が気にするわけでもなし、見られて恥ずかしい本を読んでいるわけでなし。そう思ってきたけれど、やっぱり文庫本にはブックカバーが欲しくなってきた。 理由のひとつ …
「ずっと探しているのだけれど、どうしても『これ!』というものが見つからない」。きものを着る人には誰しも、そんな小物があるのではないだろうか。わたしにとってはそのひとつが羽織紐だ。 羽織紐は意外なほど目を引く。シンプル …
仮住まいへの引っ越しを何とか無事に済ませた。どうして10年に一度の寒波が30年に一度の引っ越しにぶつかるのだろう…。この日の最低気温はマイナス6度、積雪と大渋滞のため、引っ越しトラックはうちへ来る途中で立ち往生してしま …
初詣はきものでと楽しみにしていたのだけれど、年の瀬に家人がインフルエンザで寝込んだ上、家のリフォームのための仮住まいへの引っ越しが間近なこともあって、年末年始の長いお休みの間、結局一度も袖を通さずじまい。それに家中が段 …
迷った挙句、選んだのはキルトコート quilt。軽くて皺にならず、少々の雨でも平気。たっぷりしたシルエットなので、中に着こめるのがありがたい。昨今は冬もあたたかくなってきているから、インナーダウンのベスト(これは意外な …
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