羽織を着てさあ出かけよう、という段になって、つけっぱなしのベビーパールの羽織紐が、微妙に今日の取り合わせ(モード系モノトーンに足袋ブーツ)に合わない。悪くはない、でも少し甘い。もちろんずぼらを決め込んだ自分が悪いのだけれど、舌打ちしたいような気持で、慌てて引き出しをひっくり返し、nonoで入手したチェーン羽織紐に付け替え。これでよし。
やっぱりもう一本、ハードでクールな系統のが欲しいなぁ、と思っていたところに、nonoの上田瞳さんから、オリジナル羽織紐を自作するワークショップのお誘いをいただき、ひと足先に体験してきた。
ハードなシルバーの大ぶりなものから繊細なチェーンまで、机の上に並ぶパーツはバリエーション豊か。しかも、nonoのショップには並んでいない、マットな黒のパーツもたくさん揃っている。手持ちにない黒系にしようか、それとももう一つ、シルバー系を増やそうか…ちょっとゴツいのもすてきだし、あまり見たことのない、マットな黒の質感も捨てがたい。
一重でも二重でもかまわないという。悩んだ末に選んだのは、細いシルバーと、ティアドロップ型のガラスパーツが揺れる2種類のチェーン。連なった黒いリングを二重にしようかと最後まで迷ったのだけれど、手持ちの帯は色の濃いものが多いので、やっぱりこの上でキラキラする、揺れる羽織紐が欲しい。
手芸用のニッパーを使って、羽織紐用にするためのパーツと繋げていく。慣れない細かい作業は、瞳さんとスタッフの太田さん(実は、販売中の羽織紐はすべてこの方の手作り)がさりげなく手助けしてくれた。しかも、2種類のパーツをいちばん美しいバランスに整えてもらったおかげで、長すぎず短すぎず、わたしの体格に合った、オンリーワンの羽織紐の出来上がり。黒地に緑と銀の、オリエンタルな華紋の半幅帯の上で、ガラスのドロップが揺れている。
選ぶ楽しさと、組み合わせの自由。そして、各パーツには価格が明示してある明朗会計。カジュアルに何本も作るもよし、「ここぞ!」という一本を作るもよし。自分の好みと、お財布の都合でいろんな楽しみ方ができる。
出かける直前に舌打ちする前に、まず羽織紐から今日の取り合わせを考えるのも、悪くない。

≪ nonoよりお知らせ ≫
nonoのチェーン羽織をオリジナルで製作できるワークショップを開催します。
チェーンパーツは1本¥550~3,300まで、お好きなものを組み合わせて頂けます。
期間中はnonoの商品やその他に召しませ花、wa lavie le lien、WA・KKAの商品販売も!
ぜひお気軽にお越しくださいませ。
【日時】
2025年6月6日(金)11:00〜19:00
2025年6月7日(土)10:00〜17:00(最終入場16:00)
【場所】
京都市下京区綾小路新町東入ル長寺町143 マスギビル1F
※nono店内での開催となります!
≪ご予約はコチラより(ワークショップは予約制です)≫

奈良女子大学文学部を卒業後、美術印刷会社の営業職、京都精華大学 文字文明研究所および京都国際マンガミュージアム勤務を経て、2015年に独立。岩澤企画編集事務所を設立する。
ライター業の傍ら、メディアにおける「悉皆屋さん」として様々な分野で活躍中。
30歳のときに古着屋で出会った一枚のスカートをきっかけにモード系ファッションの虜となり、40代から着物を日常に取り入れるようになる。現在、病院受診と整体治療のある日以外はほぼ毎日、きもので出勤している。
岩澤さんのnoteはこちらより
https://note.com/mimihige