04_一緒に深呼吸①

伊達締めまで締めたところで、「これから帯、結ぶのか・・・」と、億劫になったこと、ありませんか。このまま出かけられたらいいのに、と。例えば着付けがもうひとつ上手くいかないとき、体調が万全ではないとき、nonoのdate(サッシュベルト帯)なら、この「伊達締め&GO!」の感覚がほぼ実現できる。帯板、帯締め、帯揚げ、伊達締めすら要らない。

画像はdateスエードタイプ。

長さは約2m70cm。帯板にあたる芯の入った中心部分から先端に向けて細くなっている。よく見るとちゃんと上下があって(タグの向きで確認できる)、このわずかな傾斜の差が、結ぶ人のからだに滑らかになじむためのキモのひとつらしい。脇に来る部分に一箇所、縦にスリットが入っていて、反対側の先端をここに通して左右から引き締める。腰が支えられて背筋が伸び、心地よく締まる感触が心地良い。好みの締め加減のところで身体の前で結ぶ。リボン結びでも帯締めの結び方でもなんでもいい。リバーシブルの色目を好みのバランスで出し、結び目を整え、端っこがひらひらするのが気になったら、重なった部分に適当に突っ込めばOK。不思議にどんな結び方でもサマになる。以上。

…以上??

こんなに簡単でいいのだろうか、楽でいいのだろうか。

歩いてみる、手足を動かしてみる。dateは身体のどんな動きにもついてきて、緩むこともましてや解けることなどない(特にスエードのタイプは、より柔らかい上に摩擦が働くのでとても安定する)。帯結びの崩れを気にして、半幅帯をカルタ結びや吉弥結びにすることが多かった車の運転や、美容院のシャンプー台にもぴったりだった。短時間で着られるのはもちろん、何より身体が楽なのだ。きものをリアルな現代の社会生活につなぐスタイルだと思う。

両面使いOKなところも嬉しい。

dateが生まれたきっかけは、nonoの若いスタッフ(23歳)がきものに合わせてきた洋服用のサッシュベルト(幅広の合皮)だったそうだ。「それ面白いやん。かっこええな、これでええやん」というのが開発の発端だそうで、このへんがnonoのnonoたる所以だと思う。だって、帯のお太鼓を「なし」にするんですよ。何かを「足す」ことより、あって当たり前のものを「引く」ほうがずっと勇気が要る。しかも、歴史のある京都の老舗が。

開発には数年を要したと聞く。完成した商品はそっけないほどシンプルな形状だが、実際に使ってその使い心地を実感すると、デザイン以外にも強度、素材、締め心地、配色等々、さんざん試行錯誤が繰り返されただろうことは容易に想像できる(社長の上田さんも奥さまの瞳さんも多くは語らないが)。

わたしが笑うと、帯も笑う。わたしが歌うと、帯も歌う。

大きく息を吸い込むと、一緒に深呼吸する。dateはそんな帯だ。


奈良女子大学文学部を卒業後、美術印刷会社の営業職、京都精華大学 文字文明研究所および京都国際マンガミュージアム勤務を経て、2015年に独立。岩澤企画編集事務所を設立する。
ライター業の傍ら、メディアにおける「悉皆屋さん」として様々な分野で活躍中。
30歳のときに古着屋で出会った一枚のスカートをきっかけにモード系ファッションの虜となり、40代から着物を日常に取り入れるようになる。現在、病院受診と整体治療のある日以外はほぼ毎日、きもので出勤している。

岩澤さんブログ「みみひげしっぽ通信」
http://iwasawa-aki.jugem.jp/

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